『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル』照屋 華子(著), 岡田 恵子(著)
を読みました。
以下、まとめです。
このまとめは本を持っている前提のものです。
第一部 書いたり話したりする前に
人に何かを伝えるときには、必ず”課題(テーマ)”と”相手に期待する反応”を確認する
【第1章】相手に伝えるということ
1.受けてのことを気にするあまり、「にわか読心術師」になってないか?
2.相手に伝えるべきメッセージとは
・課題(テーマ)が明快であること :”課題”
・相手に期待する反応が明らかであること :”相手に期待する反応”
・その課題に対して必要な要素を満たしていること :”答え”
◆確認 -> 文書を書いているとき、会議の最中、常に”課題(テーマ)”を意識する
◆確認 -> 事前にプランを練って、目指すゴール地点(”期待する反応”)を引き出す
☆”期待する反応”とは?
(1)相手に理解してもらう
(2)意見や助言や判断などをフィードバックしてもらう
(3)行動してもらう
3.何を言えば”答え”になるのか
・課題に対してイエスかノーか、あるいはどのような意見があるか
・その結論の根拠に納得感があるか
・結論がアクションの場合、具体的なやり方が示されているか
4.なぜ相手に”答え”が伝わらないのか
◆確認->結論が伝わらないとき
落とし穴① 自分の言いたいことの要約になっている
落とし穴② 「状況によって」「場合によって」を使っている
◆確認->根拠が伝わらないとき
落とし穴① 「Aが必要だ、なぜならAがないからだ」となっている
落とし穴② 「それは事実か? それとも判断、仮設ですか?」と思わせている
落とし穴③ 「前提条件や判断基準」「言わずもがな」「当たり前」と思っている
◆確認->方法が伝わらないとき
落とし穴① 自社だけでなく他社でも通用するやり方、10年前でも10年後でも通用するやり方を提案している
落とし穴② 修飾語を使いすぎている
【第2章】説得力の無い”答え”に共通する欠陥
1.話の重複・漏れ・ずれ
2.話のとび
第ニ部 論理的に思考を整理する技術
・”MECE(ミッシー)”
・”So What? / Why So?”
【第3章】重複・漏れ・ずれを防ぐ”MECE”(マッキンゼー社で使われている)
“MECE”:「ある事柄を重なりなく、しかも漏れのない部分の集合体として捉えること」
->ある情報を全体集合として、部分集合に分けて考える
->”答え”の「全体」と、それがどのような「部分」から構成されているのか考える
MECEタイプ1
完全に要素分解できるタイプ
ex)年齢、性別、地域
MECEタイプ2
MECE切り口を持っているタイプ[知っていれば重複・漏れの心配がない]
ex)3C/4C、マーケティングの4P、組織の7S
MECEによるグルーピング
ちらばった情報をMECEな切り口によってグループ分けすることで理解しやすくする
重複・漏れ・ずれがないような切り口でないといけない
【第4章】話の飛びをなくす
“So What?” =>結局どういうことなのか?
“Why So?” =>なぜそう言えるのか?or具体的にはどういうことか?
[MECEによってグルーピングされたいくつか情報があり、A・B・Cという結論に達した] □┓ □╋"So What?"┓ □┫ ┣A □╋"Why So?" ┛ □┛ □┓ □╋"So What?"┓ □┫ ┣B □╋"Why So?" ┛ □┛ □┓ □╋"So What?"┓ □┫ ┣C □╋"Why So?" ┛ □┛ [A・B・Cという情報から、Xという結論に達した] A ┓ ┣"So What?" ┓ B ┫ ┣X ┣"Why So?" ┛ C ┛
“So What?/Why So?” タイプ1:観察 提示した事実を全体集合として要約/結果を要素分解して検証
“So What?/Why So?” タイプ2:洞察 どのようなアクションをすべきか、などの仮説を立てる/どのような影響があるか、などの違う種類の情報を引き出す
第三部 論理的に構成する技術
“MECE”と”So What?/Why So?”を使って「部品」を「論理」に組み立てる
【第5章】「論理」とは?
結論と根拠、あるいは結論と方法が、結論を頂点に、縦方向には”So What?/Why So?”の関係で階層をなし、横方向には”MECE”に関係づけられたもの
○満たすべき3つの要件
要件1:結論が”課題(テーマ)”の”答え”になっている
要件2:縦方向に結論を頂点として、”So What?/Why So?”の関係が成り立つ
要件3:横方向に同一階層の要素が”MECE”な関係にある
○論理はコンパクトなほうが良い
◆確認 -> 縦方向にどこまで階層化するか => 相手がどこまで”Why So?”してくるか想定してレベルづけする
◆確認 -> 横方向にどこまで分解するか => 多くても4つか5つ。相手に解りやすく全体像を提示するのが目的だから
【第6章】論理パターンをマスターする
1.並列型
縦方向に”So What?/Why So?”の関係で階層化
横方向に”MECE”で複数の構造化
“MECE”のグルーピングによっては、結論が同じでも複数の階層を成すこともある
◆適用ケース -> 課題やテーマに対して十分な理解度や興味を期待できない相手に、全体像を説明したいとき
◆適用ケース -> 決定事項の連絡や確認など、結論に関して議論の余地がない内容を、全体像を説明したいとき
◆適用ケース -> 自分の思考や検討の広がりに、重複・漏れ・ずれがないことを強調して、相手を説得したいとき
2.解説型
縦方向に”So What?/Why So?”の関係で階層化
※横方向は常に「事実」「判断基準」「判断内容」の3つの要素で構造化
◆留意点 -> 「事実」が正しいこと(ここが主観的だと説得が難しくなる)
◆留意点 -> 「判断基準」が明示され、かつ妥当な内容であること
◆適用ケース -> 客観的な事実で共通認識を作り、自分の結論の妥当性を強調したいとき
◆適用ケース -> 自分の考えに、意見や助言をもらいたいとき
◆適用ケース -> 複数の代替案から、選択した代替案の妥当性を証明したいとき
【第7章】論理パターンを使いこなす
◆1つの課題に答えるとき -> 全体の論旨を解説型で組み、各論を並列型で組むという組み合わせ※(図7-1が間違っている?)
◆2つの課題に同時に答えるとき ->
(何をするべきか?) (どう進めるか?)
・根拠並列型 + 方法並列型
・根拠解説型 + 方法並列型
・根拠並列型 + 方法解説型
・根拠解説型 + 方法解説型
感想としては、現状で最も役に立ちそうな内容は第一部かなと思いました。
あと、6章の解説型を覚えておこうかと。
エンジニアとして働いていて、他者との関わり合いで一番多いパターンが、「この機能を実現するために、どんな技術を利用して、どれくらい時間がかかるか」を説明するとき。
その場合、プログラミングの分野においては、「最も適した実装方法」という一種の”答え”が決まっていることがほとんどで、いかにその”答え”が妥当であるかを解説することになります。
当然、相手はプログラミングの知識を持っていないので、いかに解りやすく説明するか、いつも苦心しておりました。
今回の学びで、よりよいコミュニケーションをもてればいいなと考えています。
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